AppleScriptを書くためのエディタは、様々なものがあります。「mi」などのテキストエディタにAppleScript開発機能を付加したものや、「Project Builder」などの開発環境、さらには「Terminal」を利用したUNIX環境での開発も可能です。
このようにAppleScriptの製作用には様々なエディタが存在しますが、一番基本的なものは「AppleScript Editor」です(注1)。

AppleScript Editor
他の開発環境をメインに使う場合でも、ちょっとした事は「AppleScript Editor」ですませてしまった方が便利だったりしますし、とにかくシステム標準のものですから、しっかり使い方をマスターしておいた方がいいでしょう。
本書では、Mac OS X10.6から附属している「AppleScript Editor」(日本語表記「AppleScript エディタ」)について解説します(注2)。
(注1) 旧Mac OSの「スクリプト編集プログラム」の編集できる最大のサイズは32KBです。これは「スクリプト編集プログラム」の制限であって、AppleScriptの制限ではありません。Mac OS X版の「Script Editor」やサードパーティ製のエディタを使えば、より大きなサイズのスクリプトを書くことができます。
(注2) バージョンによって、細かい機能は異なります。例えば、Script Editor1.0から、Mac OS X10.3から付属しているScript Editor2.0にバージョンアップした際、それ自体がスクリプト制御可能になるなどの変更が加えられていますが、基本的な部分は共通しています。
上部に並んでいる[記録][ 中止][実行]のボタンを使ってアプリケーション操作の記録と実行ができます。これらのボタンだけでもAppleScriptを活用することができます。
スクリプトを書いたら、[コンパイル]をクリックしてスクリプトが正しく記述されているか検証します。[実行]ボタンと違い、準備だけで実行まではしません。
一番右にある[バンドルの内容]をクリックすると、スクリプトを[アプリケーション]として保存した際のバンドル(注1)の内容が表示されます。
AppleScriptは、OSA(Open Scripting Architecture)という汎用スクリプト実行環境を利用しています。ですから、OSAを利用した他のプログラム言語に切り替えて使うこともできます。切り替えはウィンドウ左上の[AppleScript]と書かれたポップアップで行います。
現在、次のような言語が利用可能です。本書はAppleScriptの入門書なので、詳しい説明はしません。既に、これらの言語(ユーティリティー)に親しんでいる人ならば、切り替える価値もあるでしょう。
- Quickeys
- Userland Frontier(UserTalk)
- JavaScript
- Mac Python
その下にあるのが実際にスクリプトを書く場所です。「AppleScript Editor」は、文の意味で単語を色分けするだけでなくフォントやスタイルも指定できます。
一番下にある[説明]ボタン(注2)をクリックして切り替わるところに、スクリプトの作者の名前や制作時期などの著作権情報や、簡単なスクリプトの機能説明などを書きます。
記述した文は、アプレットを実行する時にダイアログとして表示されます(注3)。フォントのスタイルや色もダイアログにそのまま表示されます。ただし、スクリプトを保存する時に[初期画面](注4)のチェックを外すと、このダイアログは表示されません。
[イベントログ]ボタンを押すと表示される領域には、スクリプト実行時の動作記録が出力されます。
(注1) バンドルとは、アプリケーションに使われるファイルをひとまとめにする特殊なフォルダの事です。Mac OS Xのアプリケーションは、一見ひとつのファイルに見えますが、実際はこのバンドルに含まれる多数のファイルで構成されています。
(注2)「スクリプト編集プログラム」や「Script Editor」では、「このスクリプトについて」の左上の三角をクリックすると、開いたり閉じたりする場所です。
(注3) Mac OS X 10.7の「AppleScript Editor」には、このダイアログに表示されるフォントの色やボールドなどの設定がメチャクチャになるというバグがありますが、華麗にスルーしてください。
(注4) Mac OS X 10.5までは、[初期画面を表示しない]というチェック項目でした。
バージョンによって、メニューの内容は多少異なります。また一般的なメニューは解説していません。
- [AppleScript エディタ]
- [AppleScript エディタについて]AppleScript エディタとAppleScriptのバージョンが確認できます。
- [環境設定...]エディタの設定だけでなく、AppleScript全体の設定がで来ます。
- [ファイル]
- [新規 Cmd + N]新しくスクリプト編集ウインドウを作ります。
- [テンプレートから新規作成]テンプレートファイルから新規スクリプトを作成します。
- [開く... Cmd + O]スクリプトファイル(スクリプトテキスト、コンパイル済みスクリプト、アプレット)を開きます。
- [用語説明を開く...]アプリケーションやOSAXが持っている用語説明を開きます。
- [編集](注1)
- [ペーストしてスタイルを合わせる Opt + Sht + Cmd + V]スタイルを合わせてペーストします。
- [参照をペースト]Finderでコピーを実行した後に実行すると、Finderのファイルへの参照がペーストされます(注2)。
- [表示]
- [説明を表示 Cmd + 1]説明ウインドウを表示します。
- [イベントログを表示 Cmd + 2]イベントログウインドウを表示します(注3)。
- [結果を表示 Cmd + 3]結果ウインドウを表示します。
- [スクリプト]
- [記録 Cmd + Sft + R]スクリプトの記録を開始します(注4)。
- [中止 Cmd + .]スクリプトの記録を中止します。
- [実行 Cmd + R]スクリプトを実行します。
- [アプリケーションを実行 Cmd + .]スクリプトのパスなどの条件を、アプリケーションとして実行します。
- [コンパイル Cmd + K]スクリプトをコンパイルします。
- [フォント]「このスクリプトについて」などの文章のフォントを指定します。
- [フォーマット]「このスクリプトについて」などの文章のフォーマットを指定します。
- [ウインドウ]現在開かれているウィンドウの管理をします。
- [ヘルプ]「AppleScript エディタ」のヘルプ文書を開きます。
(注1) Script Editor1.xにはテキストエディタには必須の機能である、検索・置換機能がありません。2.0になって、やっと付きました。
(注2) Mac OS X10.2ではなぜか働きません。
(注3) イベントログウィンドウでは、コメントの後に「>」を加えた「-->」の後に命令の結果が書かれます。そこで、AppleScriptのサンプルでも結果を「-->」の後に書くのが一般的です。
旧Mac OSでは[履歴...]です。
(注4) Mac OS Xの10.1.5までは、なぜか[登録]でした。10.2で修正されています。
アプリケーションの用語説明は、メニューから選択するだけでなく、アプリケーションを「AppleScript Editor」にドロップする事でも読む事ができます。
結果ウィンドウは頻繁に使用する事になりますから、ショートカットキーの[Cmd+3]は覚えておくといいでしょう。